もう離さないでね

佑side

花野を初めて見たのは高校の入学式だった
クラスが貼り出されていて案の定人が多く一向に自分のクラスを確認できず少し離れた所で人がいなくなるのを待つ事にした

教室に入らなくちゃいけない時間までは時間があるし早く行っても友達も出来ないだろう


ふと少し離れた桜の木に目をやると
クラスを確認せずに桜を見てる子がいた
あの子も人がいなくなるのを待ってるのか?なんて思って見ていると
桜を見ながらふわりと笑って何か呟いた
きっと綺麗だなとかそこら辺だろうと思いながら
その子に見とれてしまった



しばらくすると友達が近寄ってきて教室へ向かってしまった
名前も知らないのでクラス表を見ても何組か分からずすれ違う事もなく一年が過ぎ進級して新しい教室へ行くと

自分の隣の席にあの子が座っていた



入学式で見た時よりも少し大人っぽくなっていてちょっとドキドキした


でも自分からアプローチが出来ず
隣の席だから話すものの席替えをしたらどうなるのだろうかと思っていた時彼女に放課後呼ばれ
告白された


まさか彼女が自分の事を好きになってくれているなんて思いもよらず少し驚いたけど
付き合う事になって喜んで笑ってるのを見ると初めて見た時のことを思い出した


それから色々辛い思いをさせてしまったけど

今日は半年記念日
隣には好きで堪らない可愛い彼女
本当は今日渡すはずだったネックレスをしていつもの数倍可愛い


ショッピングモールにデートに来たけどそこら辺の女性より断然可愛い




「ねぇ佑ー」
「なに?」
「なんでもなーい」
「どうしたの?」
「うーんやっぱり好きだなーって」



そう言って笑う彼女の事を今日も俺は大好きです