もう離さないでね

次の日


暇な時間にデートの予定立てようと思ったのにこういう時に限って忙しいもので結局放課後になってしまった
途中でLineでもいいんじゃないかって思ったけど少しでも直接話したいじゃん


でも最近ずっと放課後忙しいみたいだったからもう学校にいないのかな


帰りのHRが終わってすぐ先生に呼ばれていた私はみんながもう帰った時間にやっと解放されたから教室に誰がいるのなんて知るよしもなかった



とりあえずLineを送っとこうかなーなんてスマホを見ながら教室の扉に手をかけた時
中から声が聞こえた



そっと少し開けて中を覗いて見るとそこには
佑と佑の友達がいて話をしていた

今入ったら邪魔しちゃうかなと思い何を話してるんだろうと思い盗み聞きをしてみると


「ぶっちゃけ笹見さんの事どう思ってんの?」



え!!それは気になる!!!!
なんて答えるんだろう




「…別になんとも思ってないし毎日来るし逆に…」

ゴトン



「「え?」」


スマホを落として2人がこっちに気づいてしまった





「花野!!!」
「あ…えっと……ごめん聞いちゃって」
「花野さっきのは…」
「それに今までしつこくてごめん…」
「だから…」
「ごめん……嫌々付き合ってくれてたんだね」
「話を…」
「私から切り出せばよかったね」
「…?」
「今までありがとう」
「!待ってその先は」





「別れよう」


そう言い残し私は走り出した
もう限界だった
走りながらも目から涙が溢れて出てくる

すれ違う人達が何事かと見てくる
でもそんな事気にしてる場合じゃない
付き合ってから佑が好きと言ってくれたのは数えられる程
しかも最近は誘いを断られる日々
さっきの事がなくたってヒントは沢山あった

でもそれを気づかないフリをしてた私はダメなやつだ





そして気づけば駅にいた


家からバスで学校に行っている私はあまり電車を使わない


だからか急に遠い所へ行きたくなって海へと向かっていた