運命ノ黒イ糸

昨日までは鮮明な赤色だった。


細い血管が切れた時に出るような、透明感のある赤。


しかし、今日は太い血管を切ってしまった時の色に近づいている。


昨日よりも黒ずんでいるのだ。


「糸だから汚れたとか……?」


そう呟いて首を傾げる。


手元の糸だけ汚れるならともかく、部屋のそとへ続いている部分まで全部が変色している。


これってどういうこと?


あたしは糸を切る事も忘れて、呆然と変色してしまった糸を見つめていたのだった。