運命ノ黒イ糸

☆☆☆

翌日。


目が覚めると、左の小指に違和感があった。


寝ぼけたまま左手を顔の近くに移動して確認する。


まだ薄暗い部屋の中で、自分の小指に糸が絡み付いているのを見た。


「え!?」


ハッと息を飲んで飛び起き、電気を付けて確認した。


「なんで……?」


昨日切ったはずの赤い糸が、またあたしの小指にしっかりと結び付けられているのだ。


「なんで!?」


昨日切ったじゃん!!


これであたしと高原は結ばれることはない。


そう思って大喜びしたのに……!


もう1度切ってみようか……。


そう思った時、ふと糸の色が変わっていることに気が付いた。