運命ノ黒イ糸

「知らないよ。昨日食堂で合ったのが初めて」


名前と顔くらいは知っていたけれど、それ以上の関係ではなかった。


沢山の生徒たちが通う学校では、このくらいの関係の子は沢山いる。


「そっか……」


そう言い、佐恵子はなにか考え込んでしまった。


「どうしたの?」


「ねぇ、本当に高原君が運命の相手じゃないんだよね?」


その質問に、あたしは一瞬表情をひきつらせた。


今日あれだけ高原に話かけられたから、小指も確認している。


あたしの赤い糸は高原としっかりと結び付けられていた。


「そ、そんなワケないじゃん!!」


あたしは大きな声でそう言って否定した。


あまりに大きな声だったため、来たく途中の生徒がこちらへ視線を向けてくる。