「家どこ? 送って行くよ」


デブが鼻息を荒くしてそう言ってくる。


見れば見るほどブタに似ている。


いや、そんなことを言ってはブタに失礼かもしれない。


それなのに、あたしの赤い糸は何度確認してみても、高原の指にしっかりと結びついているのだ。


それを見るだけで吐き気が込み上げて来る。


「1人で帰れるから平気」


あたしは高原を睨み付けてそう言った。


しかし、高原は睨まれていると感じていないようで、ヘラヘラと笑顔を浮かべている。