「なによ……」


あたしは数歩後ずさりをして高原を睨み付ける。


なにかされたわけじゃないけれど、近くにいるだけで嫌悪感があった。


「今日、大丈夫だった?」


その質問にあたしは首を傾げた。


けれど、すぐに思い出す。


昼間の出来事を言っているのだ。


「全然平気だから。帰りたいんだけど」


そう言って高原の横をすり抜けようとしたのに、生徒たちが多くてすり抜けることができない。


このデブ!


ちょっとは横にどけろよ!


内心そう毒づいて舌打ちをする。