「だって……つい……」


「高原君、心配してくれてたじゃん、。無視してきていいの?」


佐恵子はそう言い、高原の様子を気にしている。


あたしはそんな佐恵子が信じられなかった。


「どうしてあんなヤツのことを気にするの?」


「あんなヤツって、そんな言い方ないんじゃない?」


「だって、すごいデブでブサイクで、おまけにイジメられっ子だよ? 話かけないで欲しかったのに」


あたしはそう言い、大きく息を吐いて歩き出した。


食堂から逃げ出したことで、少し気分が落ち着いた。


早く教室へ戻ってお弁当を食べないと、昼休憩が終ってしまう。


「ところで、赤い糸の相手は?」


佐恵子にそう聞かれたので、あたしは首を傾げた。


「見つからなかった」


あたしはそう返事をしたのだった。