そう聞きたいが、もちろん2人の間に割って入るような勇気はなかった。


それに、相手が葉子先輩だという時点であたしに勝ち目はなかった。


それがわかってしまった瞬間、全身の力が抜けてその場にしゃがみ込んでしまった。


赤い糸の相手がカオルだったらなんて、少しでも期待していた自分がバカだった。


カオルとは昨日別れたばかりなんだから、そんなにすぐ心変わりすることもない。


「ちょっと佐恵子、大丈夫?」


しゃがみ込んでしまったあたしを心配して、佐恵子が手を差し伸べてくれた。


「うん……。ちょっとメマイがしただけ」


そう言い、佐恵子の手を借りてどうにか立ち上がった。


でも、もうここにはいたくなかった。


あたしの運命の相手が高原で、カオルは葉子先輩の付き合い始めている。


そんな事実、受け止めきれない。


「君、大丈夫?」


後方からそんな声が聞こえてきて、振り向くとそこには心配そうな顔をした高原が建っていた。