1度別れてもまた付き合い始めるカップルなんて沢山いる。


あたしたちも、きっとそうなれると信じていた。


「佐恵子、お昼は本当に食べなくて大丈夫なの?」


廊下を進みながら、あたしはそう聞いた。


「お昼ご飯よりも運命の人の方が大切でしょ!?」


何の躊躇もなくそう言い切る佐恵子に、あたしは苦笑いをしてしまった。


あたしはお昼を食べてから行動すればいいと思っていたのに、佐恵子に『そんなの後回し!』と、言われてしまったのだ。


そこまで期待されると、あたしも赤い糸の先にいる相手のことが気になってしまった。


「ドキドキするねぇ。朱里の運命の相手は誰なんだろう」


「だからさぁ、この学校内にいるとは限らないってば」


そう言いながら歩いていると、階段に差しかかった。


赤い糸は階段の下へと伸びている。


このまま学校を出てしまうようであれば、後日改めて探さないといけなくなるだろう。


きっと、その可能性の方が高いのだけど。