運命ノ黒イ糸

それを見て、自分の気持ちが重たく沈んでいくのを感じる。


カオルは確かにイケメンだった。


1年生の頃からライバルは多かったし、今でも先輩や後輩に人気があると聞く。


あたしも、よく佐恵子から面食いだと言われていた。


ファンになるアイドルや俳優もみんなカッコイイし、カオルだって……。


そう考えると、あたしにはカオルしかいないような気がしてきてしまう。


赤い糸の先に誰が待っているのかわからないけれど、カオルほどのイケメンはなかなかいない。


「見つけて、ブサイクだったら嫌だなぁ」


あたしはそう呟き、さっきまでの勢いを無くしてしまったのだった。