甲高い悲鳴をあげたのと、玄関のドアが破られたのはほぼ同時だった。


複数の人の足音と話し声が聞こえてきて、輝明の手があたしから離れた。


その瞬間を見計らい、ドアへ向かって叫んだ。


「誰か助けて!!」


輝明がハッとした表情であたしの口を塞ぐけれど、もう遅い。


人の足音はこちらへ近づいてきている。


一体誰が来たんだろう?


誰でもいい。


助けてくれれば、それで……。


数回ドアノブを回すのが見えて、「開けろ!」と、男性の声が聞こえて来た。


「誰かが通報しやがったな」


輝明がそう呟いて舌打ちをする。


警察!?


あれだけ大声を出していたから、近所の誰かが通報してくれたのだろう。


これで助かった。


そう思った次の瞬間、ドアが蹴破られて複数の警官隊が突入してきたのだった。