あたしは振るえる声でそう聞いた。


「そうだよ」


輝明は嬉しそうに返事をして、部屋に入って来た。


「なんで……」


糸は切ったはずだ。


なのに、どうして……!


そう思った瞬間、輝明が病室の電気を付けた。


その時、輝明の指からあたしへ向けて黒い糸が伸びているのが見えた。


ハッとして布団を跳ね除けて確認する。


あたしの足首にしっかりと黒い糸が結ばれているのが見えた。


「嘘だ……」


こんなの嘘だ。


また同じ糸が結ばれるなんて……!


「なにが嘘? なぁ、どうして小指を切断なんてしたんだよ」


輝明の優しい声が怖くて、あたしは返事もできなかった。