「キャァ!!」


悲鳴を上げると同時に目を覚ましていた。


勢いよく飛び起きて、周囲を確認する。


ここは病室で、あたしの体は黒い糸で縛られたりなんてしていない。


「夢……」


そう呟いてホッと息を吐きだした。


やけにリアルな夢だった。


あの糸のせいで精神的な傷を負っているのかもしれない。


そう思った時だった、ノック音が聞こえてドアが開いた。


あたしの悲鳴を聞きつけた看護師さんかな?


そう、思ったのだが……。


「朱里」


その声に全身から血の気が引いた。


薄明りの中たたずんでいるその人物に心臓が止まりそうだった。


「輝明……?」