☆☆☆

ハッと息を飲んで目を覚ました。


そこはいつもの自分の部屋で、窓の外はすっかり暗くなっている。


「やっぱり、夢か……」


そりゃそうだよね。


そう思って1人で軽く笑った。


あの奇妙な夢のおかげで、気分は随分とスッキリしていた。


「朱里、帰ってるんでしょ?」


階段の下から母親の声が聞こえてきて、あたしは慌てて電気を付けた。


「帰ってるよ!」


そう返事をして枕元の時計を確認すると、すでに夜の7時を過ぎている。


家に戻ってから今までずっと眠っていたようで、さすがに自分に呆れてしまった。


「夕飯よ!」


「すぐに行く!」


あたしはそう返事をしてベッドを下りた。


その瞬間、はいていたソックスに違和感があり、あたしは立ち止まっていた。