「なんだよ、どっちが告白したんだよ」


「俺から」


そう言って頭をかく寺島に驚いた。


てっきり佐恵子がフライングで告白したのだと思った。


「実はあたしも……!」


そこまで言って、あたしは言葉を切った。


告白の後、輝明からクラスメートには秘密にしておくように言われていたのだ。

輝明くらい人気が高いと、色々と混乱が起こるからだった。


それは理解しているつもりだったから、あたしも素直に了承した。


でも……。


こうして堂々と彼氏彼女を名乗れる2人を見ていると、なんだかちょっと複雑な気分になってしまった。


「なに?」


そう聞いてくる佐恵子に「なんでもない」と、返事をしたのだった。