あたしが想像していた以上に、草山くんはあたしにぞっこんのようだ。


気分が良くてあたしは草山くんの腕の中でほほ笑んだ。


そして、草山くんの背中に両腕を回した。


「そう言ってもらえてうれしい。あたしも草山くんのことが好き」


「本当に!?」


一旦身を離し、驚いた表情でそう聞いてくる草山くんに、あたしはコクリと頷いた。


「うわっ……。今本気で嬉しい!」


そう言って耳まで真っ赤にする草山くん。


こんな王子のすがた、きっと誰も見たことがないだろう。


そう思うだけで優越感があった。


「じゃあ、今日から俺たち恋人同士ってことでいい?」


「もちろん」


あたしが頷くと、草山くんは更に強い力で抱きしめてきた。


少し苦しいくらいだ。


「今日から輝明って呼んでもいい?」


「もちろん。よろしくね、朱里ちゃん」