運命ノ黒イ糸

あたしは慌ててそう言った。


ちょっとジロジロと見過ぎてしまったようで、すぐに視線を移動させた。


と言っても、こんな至近距離で真っ直ぐに草山くんの目を見ることはできない。


「今日、お弁当作ってきてくれた?」


その質問にあたしは大きく頷いた。


「マジで!? すっげぇ嬉しい! マジで楽しみなんだけど!」


そう言って飛び跳ねて喜ぶ姿が、少年のようで愛らしい。


胸のあたりがキュンッとするのがわかった。


「そんなに、自信はないんだけどね」


「そんなことないよ。朱里ちゃんが作ってくれるだけで十分に美味しいから」


草山くんの言葉にあたしは自分の顔が真っ赤になるのがわかった。


そんなことを言ってもらえるなんて、思ってもいなかった。


草山くんは、もうあたしのことを好きになってるんだろうか?


聞いてみたいけれど、怖い気がする。


「じゃ、またお昼にね」


そう言われて、あたしは頷いたのだった。