その仕草だけで鼻血を吹いて倒れてしまいそうだ。


カオルと結ばれればいいと思っていたけれど、今目の前にカオル以上の男の子が立っている。


それだけでメマイを起こしてしまいそうだ。


「ボーっとしてどうした? 大丈夫?」


草山くんはそう言い、あたしの額に手を当てた。


ふわりと柔らかな手の感触。


その瞬間、あたしは思わず飛びのいてしまっていた。


心臓が今までになく、割れんばかりに打ち付けている。


緊張で全身から汗が噴き出して、呼吸が荒くなって来た。


ダメだ。


このままじゃ気持ち悪い子だと思われてしまうかもしれない。


あたしは大きく深呼吸をして笑顔を浮かべた。