運命ノ黒イ糸

「で、次につながったのが二村先輩?」


「そういうこと」


ようやく理解してくれたみたいだ。


「でも、別れたんだよね?」


「うん。やっぱり、違ったから」


そう言うと、佐恵子はしかめっ面をして息を吐きだした。


「運命の相手って、そんなにコロコロ変えていいものじゃないと思うけどなぁ」


「大丈夫だよ。佐恵子には見えないだろうけど、また糸が繋がってるんだから。それで、その相手はきっと二村先輩よりもいい人だよ」


今までがそうだったんだから、そうであると確信を持っていた。


「そうかなぁ? 正直、また朱里の話は信じられないな」


そう言って佐恵子はようやくプリンを口に運んだ。


「いいよ信じてくれなくても。だけど、あたしが王子様を探してることはわかったでしょ?」


「うん、まぁ、それはね」


佐恵子はぎこちなく頷く。


いつか信じてくれればいい。


そう、思っていたのだった。