☆☆☆

もし、本当にカオルがあたしのことを気にしていたら?


葉子先輩と別れて戻ってきてくれる可能性があるかもしれない!


そう思うと、心臓がドクンッと大きく跳ねた。


カオルと付き合っていた頃の、楽しかった思い出がよみがえって来る。


もう1度カオルと付き合えるかもしれない。


でも……。


あたしは自分の左小指を見た。


この赤い糸は二村先輩と結ばれている。


これが結ばれている限り、きっとカオルと付き合うことはできないだろう。


あたしは考えながらグルグルと部屋の中を歩き回った。


二村先輩は優しい。


人気者だし、一緒にいて楽しい。