運命ノ黒イ糸

二村先輩は本気でそう思っているようで、なんだか上機嫌だ。


あの子たちがいたのはただの偶然で、あたしは元々二村先輩に声をかけるつもりだった。


それなのに……。


「あ、家ついたよ」


そう言われてあたしは考えを止めた。


ここで二村先輩を責めても仕方のないことだった。


嫌われて赤い糸の相手でなくなってしまうよりも、少し我慢した方がマシだった。


「じゃあ、また明日」


二村先輩はそう言い、いつも通りキスをしてくれたのだった。