「可愛いね。2年生なんでしょ?」


葉子先輩は試合から視線を離さずにそう聞いて来た。


あたしも、視線をグラウンドへと向ける。


「はい……」


「あたし今ね、2年生のカオル君って子と付き合ってるの」


葉子先輩の言葉に、胸がズキンッと痛んだ。


知ってる。


そのせいであたしは別れたんだ。


「でも最近、カオル君は元カノの事が気になるみたい」


「えっ?」


思わず、葉子先輩へと視線を向けた。


葉子先輩の横顔は、とても綺麗だ。


いくらメークの勉強をしたって、あたしなんかが太刀打ちできる相手じゃない。