「じゃあ、次の人は誰?」


「サッカー部の二村先輩」


あたしは佐恵子にだけ聞こえるよう、小さな声でそう言った。


佐恵子はあたしの言葉に目を見開いている。


「二村先輩って、人気者の?」


「そうだよ。だいたい、あたしはイケメンが好きなんだもん。二村先輩くらいが相手じゃなきゃねぇ」


そんなあたしに佐恵子が呆れ顔になった。


「でも、そんなにうまく行く? 二村先輩は本当に人気者だからライバルも多いでしょ」


「心配しないで佐恵子。二村先輩とは絶対に仲良くなれるから」


それはこの赤い糸が証明していることだった。


あたしと二村先輩は切っても切れない糸で結ばれているのだ。


あ、あたしが切れば切れちゃうか。


まぁいっかそんなこと。


切らなければいいだけだもんね!