いくら時間があっても、家の前で待ったりするだろうか?


あたしと西村君は学校も違うし恋人同士でもない。


「話ってなに?」


こんなところを璃桜に見られるのは嫌で、あたしは早口でそう聞いた。


「今度、遊びに行かない?」


その質問にあたしは一瞬固まってしまった。


それは昨日メッセージで断ったはずだ。


「少しの時間でいいんだ」


食い下がってそう言ってくる西村君に、あたしは後ずさりをした。


なんだか、ちょっと怖いかも。


「無理だよ。だって彼氏が……」


そこまで言った時、あたしと西村君の間に璃桜が立っていた。