合コンで会ったその人は池上という名前の男子生徒だった。


口にピアスを開けていて、あたしたちが約束場所のファミレスに到着したときには雑誌を読んで待っていた。


「お待たせ」


日菜のお兄さんが最初にそう言ってくれた。


相手の中に男がいると知り、池上はとまどった表情を浮かべている。


「誰あんた」


「気にしなくていいから」


お兄さんはそう言い、池上の隣に座った。


あたしと日菜と美咲の3人は対面側のソファに座った。


「なんだよ。遙ちゃんに会えるっていうから来たのに」


池上はブツブツと文句を言いながら雑誌を閉じた。