ストーカー

あたしがどれだけ怖いと言っても、お父さんはあたしが悪いと言うのがわかっていたから。


「遙、視線を感じるって本当なの?」


お母さんはちゃんと心配してくれるから、ホッとする。


「うん。この前帰りに電柱の後ろに誰かいたと思う」


「だからそれはお前が派手な格好をして出歩くからだ」


「あたしは派手な格好なんてしてない」


あたしはキッパリとそう言った。


実際にそこまで派手な服は持っていない。


それに、派手だからという理由で付きまとわられるなんて、理不尽だ。


「とにかく、もっと大人しくしてくれ」


お父さんはそう言い、新聞に視線を落としたのだった。