ストーカー

☆☆☆

この日も、あたしは璃桜の練習が終わってから一緒に帰ってきていた。


「今日は音も視線も感じないか?」


家の屋根が見えて来たところで璃桜にそう聞かれて、あたしは頷いた。


「うん。大丈夫みたい」


「よかった。家から出る時も十分に注意しろよ?」


「わかってる。ごめんね、まだ練習があるのに家まで送ってもらっちゃって」


「何言ってんだよ。どうせ同じ方向だし、気にするなって」


璃桜はそう言ってあたしの頭に手を置いた。


「ありがとう璃桜」


「おう。なにかあったらすぐに連絡するんだぞ?」


「わかった。じゃあ、練習頑張って」


あたしはそう言い、家の中へと入ったのだった。