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学校にいる時間はおだやかな気持ちでいられた。


シャッター音も視線も感じないし、なにより友達と一緒にいられることが安らぎになっていた。


「今日は体育休むの?」


美咲にそう聞かれて、あたしは頷いた。


次の4時間目は体育の授業だけれど、寝不足のあたしは見学することにした。


「今日は遙の好きなバドミントンなのに」


日菜がちょっと寂しそうな顔になって言う。


3人で輪になってバドミントンの授業を受けるのは確かに好きだ。


でも、今日走り回ると怪我をしてしまうかもしれない。


「ごめんね日菜。あたしの分まで楽しんできて」


あたしはそう言い2人を教室から送り出したのだった。