大きな手に触れられているだけで、随分と落ち着く。


「ありがとう璃桜」


あたしはそう言い、璃桜の顔を見上げた。


「なんだよ? 顔になにかついてるか?」


そう聞いてくる璃桜に、あたしは左右に首を振った。


美咲も璃桜のことを疑っていたけれど、璃桜が犯人なワケない。


あたしはそう感じたのだった。