「璃桜は真面目だよ。付き合い始めた時にもちゃんと挨拶に来たじゃん」


そう言いながら、思わずお父さんを睨み付けていた。


璃桜のことまで悪く言われたくない。


「挨拶に来たからって信用できるか! その男が犯人かもしれないだろ!」


璃桜が犯人!?


お父さんの考えにあたしは目を見開き、絶句した。


「そんなワケないじゃないですか。璃桜君は遙のことを守ってくれてます」


「お前は黙ってろ!」


なんでだろう。


なんでこんなことになるんだろう。


得体の知れない犯人のせいで、あたしの家はめちゃくちゃだ!!


あたしは涙をグッと押し込めて、夕飯に手をつけることなく自室へと駆け戻ったのだった。