ストーカー

そう聞くと、郁の表情は険しくなった。


「遙が今大変なのはわかるけど、サッカー部も大会を目前にして大変な時期なんだ」


郁の言葉にあたしは喉の奥に言葉を詰まらせてしまった。


途端に悲しい気持ちが湧き上がって来る。


サッカー部が大変な時期なのはよく理解していたつもりだった。


だから、璃桜にも無理しなくていいと伝えていた。


それでも郁がこうして怒ってくるということは……。


「ごめん。あたしのせいで璃桜の調子が悪いんだね?」


そう聞くと、郁は一瞬驚いた表情を浮かべ、それから頷いた。


気を付けているつもりだった。


璃桜の時間を潰してはいけないと、理解していた。


それなのに……。