ストーカー

「また、気のせいかな……」


そう呟くけれど、大量に送られて来た写真を思い出すと背筋が寒くなった。


一体どこからあたしのことを見ているのだろうか。


得体の知れない恐怖が、足元から駆け上がって来る。


「あ、あれ!」


不意に美咲がコンビニの看板を指さして、声を上げた。


視線を向けると男が踵を返して逃げて行くのが見えた。


「今のってなに……?」


男が完全に見えなくなってしまってから、日菜が言った。


その声は震えている。


「あの男が隠し撮りの犯人かも」


美咲が言う。


そうかもしれない。


だけど男はすでに人ごみに紛れてしまい、どこにいるのかわからなかったのだった。