ストーカー

「今度は3人で見学に行きたいね。あたしたち璃桜が部活やってる姿見たことないし」


「お、美咲いいこと言うね! あたしも見てみたかったんだよね」


はしゃぐ2人に、「璃桜のことを好きにならないでね」と釘を刺す。


その時だった。


後方からカシャカシャカシャと、連続するシャッター音が聞こえて来たのだ。


ハッと息を飲んで振り返る。


しかし、それらしい人はいない。


行きかう人たちはあたしのことなんて見ていない。


「遙、どうしたの?」


「今シャッター音が聞こえた気がして……」


日菜へ向けてそう返事をする。


「本当に?」


美咲が警戒して周囲を見渡す。


けれど、その目にもそれらしい人は見えていないようだ。