あの日のことは、うやむやなまま

彼女は毎日上司に送ってもらい店に帰って来る。

結局、彼女が幼稚園を出る前に俺にメールして

店で夕飯を作って待って帰ることになり

気づくと、俺と咲とささの3人で夕飯を囲んでいる。

…………………ささ。

コイツも、俺が拾った野良犬。

元々、コイツの為にこの店はある。

腹違いの弟。

3歳で家に引き取られ………辛い人生を送っている。

同じ親父から生まれたのに………この違い。

子供心に違和感を感じ

物の判別がつく頃には………コイツを連れて家を出た。

何もしなくても、マンションと金を与えられる俺。

全てを潰されていくささ。

結局、コイツは仕事につけず………俺が作った喫茶店の夜の部を担当している。

それでも自分の力で生きると決めたコイツは

家の名前を棄てて

母方の旧姓に戻し、俺の金を当てにしないで働いている。

最近は、自分の収入だけで食えるようになり

俺の作るプリン以外は…………食ってなかったんだけどなぁ。