【短編】メロンソーダに溺れる



「よし、塾がない日、俺が板野の勉強見てやるよ」


「へっ、」


なに言ってるんだこの人。
自分だって受験生のくせに、人のこと見るくらい余裕ってか。憎たらしい。


「ここで、いいでしょ?なんか文句ある?板野の分際で」


「いや……」


「っていうかバカのくせに断るとか身の程わきまえなって感じだしね、」


「わ、わかったよ!だからそんなにバカバカ言わないでよ」


どれだけ傷ついてると思ってるの。


「ごめん、好きな子いじめちゃうんだよね」


っ?!


「意味わかんないっ、、」


なんともないようにサラッと言われたそんな軽い『好き』に負けてたまるか。


「絶対受からせて、一緒に通ってやる。絶対」


「っ、」


さっきまでふざけた事ばっかり言ってたのに。今度は真面目な顔でそんなことを言うんだもん。



怒ったり泣いたり、ドキドキしたり。


少ない時間一緒にいただけなのに。


菅原といると、こんなに忙しく感情が乱される。



「そしたら俺の願い、一個聞いてよ。朱莉」


菅原は、わざとらしく最後に私の名前を呼んで、


私のメロンソーダを、もう一度、含んだ。






「ツンデレだよね、朱莉って」



「違うし黙れ」