《沙羅side》


「ゴメン・・・遅れたね・・・」


急いで車に乗る。



そして・・・私達は、無言で屋敷に戻った。




「沙羅?どうしたの?」



母様が私に声をかけてくる。


「貴女は・・・ダレ?」


私は、母様にではなく・・・そう、母様の内に居る物に声をかけた。


母様だけではない。父様も、彼方クンも由美ちゃんも・・・憑かれている。


―情けない・・・仮にも土御門の人間なのに・・・

漬け込まれたのか?



私は、一気に頭を回転させる。




「―身の内に眠る者よ

我は呼び起こす

汝は呼び起こる

聞えているだろう

この声が

目覚めろ

そなたに眠る自らを―」



呪詞を唱え札を一気に4枚投げつけた。



母様達が倒れる。


私は・・・置手紙をして・・・屋敷を出た。


屋敷の屋根に1つの気配。



「龍聖さん・・・かな?取りあえず任せておけば大丈夫でしょ・・・」


父様の式が屋根に居た。


私は、土御門へと・・・風を使い向かった。



《沙羅side終了》