――18年前
            
「未来!後ろに回って」


直人に言われて、私は後ろに跳躍した。


「眠れ 安らかに 誰にも起こされぬ様に」


直人が、魔物に向かって札を投げ付けた。


「永遠に眠れ!」


私は直人が札を投げた魔物に向かって鎖を投げた。


鎖が魔物に絡み付き・・・


封印完了。


「はぁ~」


直人が地面に座り込む。


「資料、メチャクャだったね~」


私も、直人の横に座り込んだ。


「ったくよ。兄さん・・・も酷いよな~」


苦笑しながら言う直人。


「嫌がらせだよね?」


嫌な顔をする未来。


「眠ぃ・・・さっさと帰るぜ夜が開けない内に」


直人が立ち上がり、私に手を差し出して


「そうだね」


私は、その手を取った。


私は、土御門未来。

            
直人は、土御門直人。

            
正真正銘の兄妹。



私と直人は、より強い術者を作るために、夫婦となった。



私と直人以外に、幸也と言う兄がいた。


次期当主の幸也には、既に婚約者がいた。



私達のする事は、世間の道徳を背いている事。


でも、



「未来!帰ろ」


何故か、先に行った直人は朝日をバックに、振り返った。