中2の修了式の日。
今年度でこの学校を離れる先生が発表された。
そこには舟木先生の名前があがっていた。
なんで、なんでやめるの、、?
ショックで、何も言葉が出てこなかった。
せっかく仲良くなれたのに。


その日の放課後、私は舟木先生に最後の挨拶をしに物理室へ向かった。
「先生っ!なんでやめるんですか⁉︎」
「ちょ、失礼しますくらい言いなさいよ」
「失礼します!」
「今言っても遅いよ笑」
「なんで、どうしてやめちゃうんですか、、?」
「大人の事情だよ。秘密。」
「酷い、、。大人ってずるい。」
「ずるくないよ笑でも、山本なら俺がいなくても大丈夫だよ。」
「なんで?どうしてそんなこと言いきれるんですか??」
「なんでって、、。そりゃあ山本は俺の誇りの生徒だからな。」
「誇、、り、、?」
「あぁ。教えれば教えるほどぐんぐん成績伸びるし、期待にも答えてくれるし、何より影の努力がすごい。」
「先生、、?」
「ん?」
「私は、、、」
「うん。」
顔を上げて先生の顔を伺う。優しくこっちを見ている。
「先生の、理想の生徒でした、、か?」
聞いてしまった。
「、、ほんとはこういうこと言いたくない、、っていうか、教師としていっちゃダメなんだろうけど、山本は俺の理想の生徒だった。自慢の生徒だったよ」
涙が溢れてくる。

先生、もう我慢できません。
私の中にあるたったひとつの気持ち。
もう、話していいですか?