祈るだけの指名

別れてから
あいつにバレないように密かに恋をするようになった。
あいつは幸せそうだった。
親友も毎日笑っていた。
それでも好きだった。
叶わない恋をしてしまった。
馬鹿だと思った。


卒業式
私は彼に想いを伝えることにした。
「言いたいことがある」
「なに?」
「キャッチボールとかしてた時からずっと好きだった。
でも付き合いたいとかは考えてません。あんたらの関係
壊したくないしね。ただそれだけ伝えたかった。」

声が震えた。
過去一緊張した。
結果なんてわかってる。
叶わないこともわかってる。
だけど
私はあの日
あいつに恋をした。

「まじで?ありがとね。なんか、ごめんな?」

ありがとう。
私はあんたらが長続きするように
神様から祈るだけの指名をもらった。



~END~