「ねぇ、あの人、凄いかっこよくない?」


「やばい、めっちゃ美形!!!」


「目の保養♡」


女子の黄色い声が響く。


うるさいなぁ、新学期からなんなのよ。


その原因は松原 零。


成績優秀。


運動神経抜群。


まさに、文武両道。


その噂の松原零は高2の後期でも推薦で生徒会長をやっていた。


その推薦デモの中心はもちろん女子。


そんなテキトーな決め方、私は気に食わなかった。


顔がいいだけで生徒会長?


ホントにやめてきただきたい。


私だって、生徒会長をやりたかった。


でも、選挙で負けた。


その屈辱は高3の生徒会長選挙で絶対晴らす。


まぁ、見ての通り、すっかり注目の的だ。


別に、アイツだって生徒会長がやりたい訳では無い。


推薦されたから、何となく。


って感じがする。


本当に最悪だ。


なんであんなやつが。


「奈子〜入学式そうそう怖い顔して、後輩に怖がれちゃいますよ〜」


声の主は私の親友、上野 真希(うえの まき)だ。


「だって、松原零。また3年になっても生徒会長でしょ?」


「まぁ、奈子選挙負けちゃったしね〜恨んでんのか〜笑」