松原君の攻略は難しい。

今日も重々しく生徒会室の扉を開ける。


はぁ、なんか気が重い…


「あ、今野さん、お疲れ様です。」


宮前さんだ。


「うん、あ、奈子でいいよ?」


そう言うと宮前さんは一瞬フリーズする。


「い、いや!そんな滅相もない…!!」


滅相もない?そう?


「あれ、果歩ちゃんだよね?」


そう言うともっと宮前さんの顔が赤くなる。


なんか可愛い子だなぁ


「な、奈子さん…」


「うん?」


「恥ずかしいですね…」


「そう?私はこっちの方がいいなぁ」


男子に名前呼びされるのは慣れないけど、女子同士はやっぱりこれがいい。


「みんなー!ちわーっす!」


橘くんが元気に扉を開ける。


「あれ?まだ二人しかいなかった?」


「そ、そうみたいだね…」


「そう言えば、松原零、いつも早いのにどうしたんだろう?」


「あー、零なら女子に呼び出されてたよ。多分告白。」


「ええっ!?」


「これで新学期になってから24回目だなぁ」


「…数えてるの?」


「まぁな!!」


橘くんが何故かドヤ顔で言ってくる。


「あれ、今野さんも零のこと好き?」


「えっ!?そんなわけないじゃん!!」


「そっかぁー、随分と必死に否定するね。」


「当たり前じゃない。好きでもないのに。」



「ま、そっかー」


そんなこと言ってると、生徒会室の扉が開く。