「…昨日はごめん」



…どうして謝るの。
謝らなきゃいけないのは、私の方なのに…。



「私こそ、ごめん…」



寄せては返す波の音を、ふたり並んで静かに聞いた。

ちらりと右隣に視線を動かしたら、きみもちょうどこっちを見ていた。




「…俺、さ」


「…うん」


「桜井の隣にいたら、うまく笑えるかな」



「…え?」