「え!?帰ってこれない!?」

思わず叫んでしまうと、律も所在なさそうに頷いた。

「うん……」


先程家に律のお父さんとお母さんから電話がかかってきて、今日はお仕事が忙しくて家に戻らないというのだ。

こないだ杞憂だと思っていたことが現実になってしまったらしい。

「え……ええ……どうしよう」

「どうしようもないよ…俺、先に風呂入ってきていい?」

「い、いいけど…」

先程、律と二人で食べたハンバーグの皿を片付けながら返事をする。


ドアが閉まったとたん、静寂に包まれた部屋。

え、ええ、静かぁ……!

いつもは誰かしらがリビングにいる家だから、こうなってしまうと何だか寂しい。

気晴らしにラジオをつけてみる。


『ラジオネームいちごさんから頂きました〜。“親友と同じ人を好きになってしまいました。しかもそのことを親友には言えていません。どうしたらいいんでしょうか”ということです〜』

『またまたありがちなシチュエーションですね〜!(笑)』

『彼が親友と付き合ったりしたら、友情も壊れるってやつですよね〜(笑)』


ブチッッ

思わずラジオを切ってしまう。

な、なにこれ!
なんで私こんなに動揺してんの…!