きゃあああ、という悲鳴が聞こえて、身体がふわっと浮いた。

何が起こっているのか分からない。


「大丈夫か?」


……もう、なんで。



「り、つ……」



目の淵に溜まった涙が一滴零れた。


なんで結局、律の隣が一番安心しちゃうの?


震える手を彼の首にまわす。

誰から手渡されたのかもわからないティッシュを鼻に当てて、情けなく半泣きになりながら、王子様にお姫様抱っこされる平民の女の子。

周りの悲鳴も気にならないくらいに、心臓の音がうるさいよ。


_____ありがとう、律。