ー憧れの一期学園。
偏差値の高さと、制服の可愛さで男女共に人気を集める一期学園。
この学園に入るのはそう簡単ではない。実際私も中学3年間は勉強ばかりで友達もいなかった。
そこまでしてこの学園へ通いたかった理由はー……。


「優真先輩……!」
「苺恋さん……!?」
私が駆け寄ると、笑顔を向けたのは去年この学園に入学した尾関 優真先輩。
去年は同じ美術部でお世話になっていたのだ。
ふんわりとした笑顔に声。整った顔立ち、優しい天使のような性格ー……。完璧な先輩に私は中学一年生から3年間ずっと恋をしていた。

「苺恋さんもここを受けたんですね」
そういって優真先輩はふわっとした笑みを浮かべる。
「はい!とっても素敵な学園だと優真先輩が言ってましたから!」
「うん。ここはいい学園だと思うよ。高校でも美術部に入るの?」
「もちろん!優真先輩は美術部ですよね?」
「そうだよ。また3年間よろしくね。」
優真先輩はそこまで女子と話すタイプではない。3年間『友達』がいなかった私は先輩につきまとうようにしていたのできっと先輩と1番仲の良い女子になっているのではないだろうか。
そんなことはさておき、教室へ向かわなくてはいけない。
私はこれこら始まる学園生活と優真先輩との未来に胸を踊らせて足早に教室に向かった。