「……アネモネの花。どこで見たか思い出した。」

廣瀬は俺の顔を見て、心配そうな目をした。
何かと思えば、気づいたら涙が出ていたんだ。

「"無垢"の正体が分かった。
ねぇ、最後の一説…これ、夢でも見た。」

アネモネの花は、
彼女が恋をしたアドニスまたは他の一説ではアフロディーテが流した血から花が咲いたと記されていた。

「ゆめはやっぱりもう全て分かってるんだ。
これは俺たちへのSOSだ。」

朝方、6時…。

CSSへ出勤予定だったが、
俺はその日、ある場所に行く事に決めた。