午前中はね、つつがなく大変平和に過ごすことが出来ましたよ。
平和というか、怒涛のお花作りしかしてないんだけど。
あと、百個は残ってます。
うっ!泣ける!
天使達とも会えずひたすら別室で内職の日々。
心が荒むし、マイナスの考えばかりが浮かぶしで私は頭を抱えた。
例えば、大原さんが乗り込んできて提督さんを賭けて勝負を挑まれる。
という面倒くさい状況に陥るとか?
でもね、それは私に言うんじゃなくて提督さんに言った方がいいんだよなぁ。
婚約関係を続けたいと言ったのは提督さんなわけで、私としては身の安全が保証されればどっちでもいいんだよ。
大原さんもそんなに好きなら、昨日みたいな挑戦的な言い方せずに、はっきりまだ好きなのっ!って言えばいいのに。
もしかしたら、提督さんも本当はまだ好きかもしれないし、昨日は素直になれなかっただけだったかもしれないよ?
とにかく、邪魔しないので巻き込まないでくだ…………ああっ、やば!!

「こんにちは、すずなさん」

私が中腰で逃げようとしたのと、バァンと扉が開くのは同時だった。
扉が壊れそうなくらいの勢いに、私の足は盛大に縺れ、危うく机の角に頭をぶつけかけた。
……………災厄がやって来た。
ていうか、なんでズカズカ入ってくるわけ?
ここ、そんなに警備がゆるいのかなぁ。
不審者が来たらどうすんだ!!

「大原さん、えーと、何かご用ですか?あの、私今日はちょっと忙しくて……」

「あら?そうなの?どう見ても雑用しかしてないみたいだけど?」

ドキッ!!
た、確かに、そうなんですけどね。

「あはははー、これ数が多くって。なかなか終わらないんですよねー」

「それ、あなたの仕事が遅いんじゃなくて?」

……笑顔で人の心を折らないで下さい……。

「そ、そんなことはない……と思いますよ?一生懸命やってます!」

大原さんはふーん、と腕を組み私の回りをゆーっくりと歩いた。
そして、私の頭の先から足の先までを舐めるように見下ろす。
うわ、なんか値踏みされてる?
やな感じ。