「日本的なもの、北欧的なもの、とてもうまく融合されてておしゃれよね!」

「ええ、本当に。さあ、お菓子を見ましょう!いろんな物がありますよ、ほら」

少尉さんは、ショーケースの中の綺麗にデコレートされたカップケーキを指差した。

「わぁ!!可愛い!」

ケースにかじりつきそうな勢いの私を見て、少尉さんは肩を震わせて笑っている。
はしたなくて、ごめんなさい。
だって、美味しそうなんだもん!
そして笑いを納める為に、はぁーと1つ息を吐くと、少尉さんは店の主人に何かこそっと呟いた。
それを聞いた主人は、ショーケースのカップケーキを2つ、キャンディの詰め合わせを3つ、虹色に輝くラッピングペーパーで可愛く包み少尉さんに手渡した。

「はい、これはお嬢様に。美味しいクッキーをありがとう」

と、カップケーキを包んだ物を私に手渡した。
その吸い込まれそうな笑顔に思わずぽーっとなるも、手渡されたカップケーキの香しい匂いに我に返ってしまう、悲しい私。
色気より、食い気だ!

「ありがとうございます!!部屋に帰って早速食べますね!!少尉さんもいっしょにどうです??」

「いやいや、それは提督とどうぞ。あ、でもあの人甘いものダメだったな」

アイス食べてましたけど?
あ、そういやあんまり食べないって言ってたっけ?

「まぁ、提督が食べなければあなたが2つ食べればいいんですよ!」

なるほど!それはいい考えです。
私がホクホクとした笑顔で頷くと、少尉さんはレディファーストで出口の扉を開けてくれた。
少尉さんも素敵なレディなのに、こんな豆柴のような女を優先させてしまって申し訳ない!!
と、卑屈に考えたりしたけど、もう既に私の思考はカップケーキに向かっていて、お腹の方もそれに反応して大きな音で返事をしていたのだった。