「今まではあまり君の私生活に口を出さなかったが、これからは少し改善していきたいと思う」

「はぁ」

「オレ以外の男と付き合うの禁止」

うん……それ人として当たり前だからね。

「はい」

え?!って顔しないで下さい。

「……それと、昼は仕事で無理だが、朝食と夕食は一緒にとること」

「はい」

………だから、そのビックリした顔やめて下さい。

「あと、ちゃんとここに帰ってきてここで暮らすこと」

提督さんは最後の提案をすると伺うように私を見た。
どれも、これも、婚約者としては基本のことのような気がするけど、それすらもお嬢様は拒否したんだなぁ。

「はい、もちろん」

これで、寝床は確保した!
というくらいにしか思ってなかったんだけど、提督さんはまたもや目を剥いて驚き、それから弾けるように笑った。

「ありがとう、君と婚約関係の再構築が出来て嬉しい。これからよろしく頼む」

「はい、こちらこそ」

と、波乱含みの提案は落ち着くところに落ち着いた。
結局何一つ変わっていないのだけと、提督さんはスッキリとした顔をしている。
とりあえずの居場所を確保した私は、安心して醒めきったお茶を飲み干したけど、次に言った提督さんの言葉にそれを吹き出しそうになった。

「ベッドは1つしかないから一緒に寝るしかないけど、別にいいよな、昨日もそうだったし」

あははっ、そういえばそんなこともありましたね。
そう言えばあの後、どうなったんだっけ?
ううっ……恐くて聞けない!